金融研究: 2009/05   

2009年5月29日金曜日

5秒で分かる!アメリカと中国の貿易の関係。

またおもしろいイラストを発見したので、紹介しようと思う。

今回のイラストはアメリカで最近流行ってるmint.com というサイトからとってきた「アメリカと中国の貿易の関係」というイラスト。

このmint.com は自分の証券口座、銀行の口座、クレジットカードなどの情報を入力するとそれぞれの口座の残高を自動的に取得、使い道を支払い先の名前で推測し勝手に簡単な家計簿をつけてくれる便利なサービスなんだ。(例えば、restaurantってつけば食費、MTAとつけば交通費ってな具合に振り分けてくれる。)

クレジットカードの支払日とかを1週間位前にメールで知らせてくれたり、食費にお金使いすぎです。って知らせてくれたり、残高があまりありません。って知らせてくれたりする。しかもIPHONEのアプリと連動しているのでどこでも見れる。

どうやって利益あげてるのか、セキュリティー的に大丈夫かどうなのかは知らないけど、無料だしすごい便利。


日本でもこういうのあるのかな?

まぁそのサービスの一環として、
顧客の経済に対する教育みたいのがあって、
非常にわかりやすいイラストを多数生み出してるんだよね。


で、今日見つけたのが、アメリカと中国の貿易の関係ってイラスト。

アメリカと中国の貿易の関係


前回の記事、日本経済のこれからで日本と他の国の輸出入の関係について書いたけど、文字にすると分かりにくい!!!


こういうイラストにすると、

  • 線の太さ=資金の流れ
  • 線から出てる枝= 資金の分布
  • 地図の色の濃い場所=輸出を支えてる地域
  • 地図上の赤丸の大きさ=輸入が多い地域

    で直感的に分かるから良いよねー。


    中国から見て一番の輸入の多い国が日本だという事実にはちょっとびっくりした。資源国からの輸入が多いのかと思ったんだけど、良く考えると中国は原油とかも抑えてるし中国の温首相も地質学だかの専門で資源自給率(?)を高める政策を一環して行ってるからね。



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  • 2009年5月28日木曜日

    日本経済のこれから

    日本がどんな状況なのか?新聞とかブログとかで言われている問題(食料自給率が低い、借金が800兆円、アメリカ国債の保有率が高い、人口減少による高年齢化、年金問題)で個々の問題は分かるんだけど、実際に自分で調べてデータを見ていなかったし、総合的に見て日本経済はこれからどうなるのか?どこにも書いてなかったので、データを全て整理して自分の頭の中も整理してみた。自分でも信じられない位長いので興味無い方はスルーしてください。笑



    今回調べたデータ:

  • 貿易国ランキング(相手国の経済状況は?これからの輸出の展望は?)
  • 輸入品ランキング(どの商品が輸入されているのか?その商品は値上がりするのか?)
  • 輸出品ランキング(どの商品が輸出されているのか?その商品の需要はあるのか?)
  • 経常収支の推移(包括的に見て貿易黒字はこれからも続くのか?)
  • 政策金利の推移(他の国は高金利で海外からの資金を集めそれが経済の基盤になっていたが日本は?)
  • 対外債務(現在危機的状況のアメリカ、イギリスの状況と比べてどうなのか?)
  • 国内債務
  • 国内債務の増加率(毎年どれだけ増加しているのか?)
  • 国内の債務保有者の推移(国内の債務保有者リスト)
  • 貯蓄率 (国債を支えるのは日本人の貯蓄率、今後どれ位残されてるのか?)
  • 包括的に見て日本は借金にどれ位耐えられるのか?
  • 人口構成別データ(32~55歳の人口が多いと消費が多く景気の良し悪しと相関関係にある。人口構成で見て日本の景気はこれから良くなるのか?)


    今回調べなかった点:
  • 年金問題(ネットだけのリサーチでは無理があるので今回は見送り。)




    貿易国ランキング

    貿易国ランキング
    JETROより

    残念ながら、最も貿易収支に影響を与えているアメリカはこれから大きな消費は期待できない。中国に関しては大きな消費を抱えるとはいえ、中国のみの貿易収支は大赤字。これからも輸出よりも輸入の方が多いと思う。そうなると、ヨーロッパ、香港、韓国、台湾だけで貿易黒字を支えていく事になり。短期では相手の貿易国だけを見ると日本の貿易黒字は減少すると見るのが妥当だと思う。



    輸入品ランキング
    輸入品ランキング
    JETROより

    原油と、鉱石、穀物、魚と肉など、高沸すると思われる商品が多い。これから輸入品コストの高沸は避けられない。




    輸出品ランキング

    輸出品ランキング
    JETROより

    自動車関連の輸出品が30%弱でとても大きな割合を占めてる。GM、クライスラーの破綻などもあり、燃費の良い日本の自動車はこれからもヨーロッパ、北米、中国などで徐々に増えていくと思う。日本の輸出品は非常に幅広く分散されているのでそこまで急激に下がる事は無さそう。




    経常収支の推移

    経常収支の推移




    貿易に関する展望


    上記のIMFの展望は楽観的すぎる様に感じる。日本の全輸出量の18%を占めるアメリカが日本の貿易黒字を支えてる。しかし、アメリカはこれ以上対外債務を拡大する事はできない。2009年の5月27日時点で長期国債の需要が減少し、連邦銀行が長期国債を買い支えている事を見ればあきらかであり、借金ができなくなれば国家予算の不足を補う方法は、ドル供給以外に無い。そうなると、円高ドル安は避けられない。円高ドル安、アメリカ経済の後退、輸入コストの高沸(5年~10年) この3つを踏まえると今後5年の範囲で貿易黒字は赤字化すると思われる。




    政策金利の推移

    政策金利の推移
    外為コム

    日本は言うまでも無く、超低金利。ただ、今までの様に低金利だからキャリートレードの対象になりどんどん円安が加速するかと言えばそうでも無いと思う。なぜなら、今まで高金利で外貨を呼び込み国内の景気を刺激してきたイギリス、ユーロ、アメリカが日本と同程度の低金利になっているから。逆に現在では、今まで貿易黒字なのに円安だった日本円への「キャリートレードの巻き戻し」が起こり円高が続いている。今まで高金利だった通貨(アイスランド、ニュージーランド、トルコ、アメリカ、イギリス)よりも日本のファンダメンタルの方が若干強いので円高傾向は続くと思われる。実際、日本よりもファンダメンタルが弱い低金利(アメリカドル、ポンド)の通貨を対象にキャリートレードが行われ始めている。




    対外債務ランキング

    対外債務ランキング参照元

    対外債務は諸外国に対する借金、自国の国債をどれだけ外国に売りつけてるか。対外債務ランキング1位アメリカの国債は、中国と日本が最も多く保有している。日本は世界で9位。(日本の国債の利回りが低い事が他の国に受け入れられないが、高利回りが実現すれば、これから海外に国債を売りつけれる可能性が残る。)




    日本の国内の債務

    国内債務
    参照元

    国内の債務という事は、日本の国債を日本国内に売っているという事。国内の債務と対外債務のどちらが悪いのかと考えると、対外債務は国債の金利が高いからこそ成り立っているのであり、国債が増えれば増えるほどさらなる財政の負担になる。対外債務がずば抜けて高いイギリスやアメリカよりはマシとは言えるけど、ハイパーインフレが起きてるジンバブエよりも酷い状態なので危険な状態である事に変わりは無い。




    国債および借入金並びに政府保証債務現在高の推移

    国債および借入金の推移

    この様に見るとアメリカやイギリスなどと違い、日本の国債及び借入金の増加額は2004年をピークに減少傾向にある。ただ、ベイビーブーマー世代がリタイヤしたこれから年金問題が悪化し日本の財政を圧迫する。特に第二次ベイビーブーマーのリタイヤする2030年から、この年金問題は急激に悪化する。



    国債保有者リスト

    国債保有者リスト

    国債保有者リスト
    財務省資料より

    国債の保有者を見てみると、郵貯、預金金融機関、中央銀行、民間保険、証券会社が多い。金利が低い国債を買い抱えるのは、国内の金融機関、そして個人。国内の金融機関の体力と国民の貯蓄率が日本の国債の肝となるが、実際の所どういう状態なのか。

    2009年5月時点で、日本郵政、ゆうちょ銀行は黒字であり体力はありそうだ。預金金融機関(三菱UFJファイナンシャルグループ、りそなホールディング、新生銀行、あおぞら銀行、三井住友ファイナンシャルグループ)は赤字。証券会社(野村ホールディングは赤字、大和証券)は赤字。保険会社(東京海上ホールディング、三井住友海上グループホールディング)は黒字となっている。一時的な赤字で何故赤字かを追及していないので細かい決断を下す事はできないが、全体的に見て、預金金融機関、証券会社は買い支える事は厳しそうだが、郵貯と保険業界は買い進める事ができそうだ。

    こういった金融機関も日本国債を金融商品として個人に対して売っているので、最終的に国債を支えているのは日本の貯蓄率だと考えられる。




    日本の貯蓄率

    日本の貯蓄率

    低金利の影響もあり、日本の貯蓄率は近年下がってきている。比較的利回りの良い海外投資は増えているという情報もあるので、今後貯蓄を頼りにした国内債務の増加は期待できない。今後、国内に債務を押し付けるやり方は通用しないと思われる。このやり方は、もって2,3年では無いかと思う。



    人口ピラミッド 年齢別人口構成データ(2000年)
    日本のバブル、今回のアメリカ金融危機を予想したハリー・S・デント・ジュニアの統計によると個人消費が最も伸びるのが一軒家を買い、車を持ち、子供の学費を払う43歳の時。そして46歳の人口が多い時に、国の経済はピークを迎える。日本はどうなのか?
    年齢別人口構成日本統計局より

    2009年現在、9年後に51歳から55歳だったの第一次ベイビーブーマーが丁度リタイアしはじめる時期になる。彼らが41歳から45歳の時(1980年代後半から1990年)はバブルが起きた。 日本はまだ第二のベイビーブーマー(2000年当時、26歳から29歳だった人が現在は35歳から38歳になっている。)がいてこの世代が、46歳になるのは今から8年から11年後の2017年から2020年。ハリーデントの理論によると、この時期に消費のピークが迎えるはずだ。おそらく輸出に頼らない企業はこの時期(2017年から2020年)までは伸びるのだろう。




    日本経済の動向まとめ。

    1、 円高ドル安(1-3年)、アメリカ経済の後退(1-3年)、輸入コストの高沸(5年~10年) この3つを踏まえると今後5年の範囲で貿易黒字は無くなると考えられる。

    2、 キャリートレードの対象の変更。今まで高金利だった通貨(ユーロ、アメリカ、イギリス)が低金利に。そうなるとアメリカ、イギリスよりも、日本のファンダメンタルの方が若干強いのでキャリートレードの対象はそういった通貨になり、円高傾向は続くと思われる。

    3、 対外債務に関しては日本は問題が無い。

    4、 国内債務に関しては日本は最悪の状態。国債および借入金並びに政府保証債務現在高の増加率は減少しているものの、年金を考慮にいれると非常に悲観的にならざるを得ない。貯蓄率も低下しているために今後、国内に債務を押し付けるやり方は通用しないと思われる。このやり方は、もって2,3年、その後は高利回りで対外債務を増やしていく方向性では無いかと思う。

    5、 人口構成の観点から言えば、日本の国内需要に頼る企業に関しては2017年から2020年までは延びると思われる。例:通信業界、携帯業界。

    この他にも原油、穀物、肉、魚、鉄などは価格が上がり続ける事を考えると、特定の飲食産業は、スタバの様に農家との直接取引をしない限り市場によって左右されるので厳しい状態になる。2017-20年以降、コモディティ価格の上昇、国内需要の低下、増加する国内の債務、高齢化による年金支出の増加の問題が顕著に現れるので、長期的に見て、日本経済は暗い。ただ、短期的には国内需要に頼る企業の好感の持てるニュースや、中国などアジアの高成長のせいでアジアに資金が集まるので、2017年-20年までは今のアメリカの様に実際に侵食していく問題を隠しつつ(?)株式市場は伸びていくのではないか。これから2-3年、為替のレートは、ドル円に関してはアメリカの今後の金融危機の悪化(貨幣インフレ)によって円高が続くはずである。ポンド円に関しても同じ。ユーロ円に関しては分からない。ただ他のコモディティー通貨(カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ブラジル)に対しては現状(2009年5月)と比べて円安になると思う。日本は中国に並んで最大のアメリカ国債保有者であり、アメリカは日本が保有する米国債をドルを発行する事での返済(貨幣インフレ)するため、他のアメリカ国債を保有していない国にとっては円はリスクがあるので円は売られ円安になるはずだ。ただ、今現在の予測だと2020年位を境に景気は急速に後退し、確実に借金がコントロール不能に陥ると思われる。日本経済、日本円がどうなるのかは、今回のアメリカ危機のアメリカドルの行方を見て考える。





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  • 2009年5月22日金曜日

    キャリートレードのこれから

    キャリートレードは低金利の通貨で資金を調達し、高金利の通貨を運用する事。

    最近までのキャリートレードの傾向は、金利のずば抜けて低い円で資金調達し、それをドルに換えてアメリカの国債などの高金利な金融商品で運用していったり、NZドル、オーストラリアドルなどの高金利通貨で運用しリターンを得ていた。

    それが今回の金融危機の崩壊で、一気に高金利通貨からの引き上げが起こり、
    円は高金利通貨に対して、円高になった。


    この間の高金利通貨のリスクでも書いたけれど、 図で表すと下記の様になる。

    金融危機前:

    (為替レート↑+金利↑) ⇒ (投機的資金↓>貿易赤字↓) ⇒  為替レート↑  ⇒ (投機的資金↓>貿易赤字↓)


    金融危機後:

    (貿易赤字↓ + 利払い金↑)> 投機的資金↓ ⇒ 為替レート↓ ⇒ (投機的資金↑ + 貿易赤字↓ + 利払い金↑) ⇒ 為替レート↓↓



    この式の中の投機的資金というのが、キャリートレードの資金にあたる。このキャリートレードは、為替版のCDSの様な物で、ファンダメンタルの傾向とは逆の動きを相場に作りあげる原因になっていた。

    貿易赤字で毎年借金が増え続けるけど金利の高い国の為替レートは高くなり
    日本の様に貿易黒字の国でも金利が低ければ為替レートは低くなる。


    リスクのある所に需要が高まるという特性のせいで、一度風向きが変わって高金利通貨の為替レートが下がってしまうと、大暴落をしてしまう。


    それじゃぁ、暴落後の今後はキャリートレードは為替相場にどういう影響を及ぼすのか?って思ってたら、丁度記事になってた。



    アメリカの金融危機後のキャリートレードトレンド


    アメリカの金融危機後に、ドル、ユーロ、ポンドと主要各国の通貨が軒並み低金利になり、昨年の様に円とスイスのフランだけがキャリートレードのターゲットになっていたという状況が、これからは色々な通貨に分散されていくらしい。

    つまり、金利の低いユーロ、円、ドルで借り入れ、金利の高いコモディティー産出国の通貨
    (ブラジルのレアル、NZドル、ハンガリー、インドネシア、南アフリカランド)を保有する事がトレンドになっているそうだ。

    政策金利一覧:
    日本0.1%
    ユーロ1%
    ドル0.25%
    ポンド0.5%
    カナダ 0.25%



    そうなると、これからはキャリートレードの影響で円安になるという様な単純な結果にはならなそうだ。

    特に貿易黒字でファンダメンタル面では、アメリカ、イギリスよりは悪くは無く、
    今回の金融危機でも円の信用は高い。

    円高傾向にある円でのキャリートレードよりも、ドル、ポンドでのキャリートレードが盛んになりさらなるドル安、ポンド安を招くのでは無いかな。





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    2009年5月19日火曜日

    お金の仕組み。



    アメリカのネットで流行ってる動画第二弾

    (お金の仕組み、日本語字幕付きはこちら)


    この動画はおもしろかった。

    米ドルがどの様に作られているのかという話。

    インフレ=隠された税金 という視点は今までに無かったコンセプト。

    これは米ドルに関しての話だけど、
    日本の場合はどうなんだろう。



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    2009年5月17日日曜日

    米ドルの予測、その2

    この間の米ドルの予測の記事で米ドルがまだまだ下がると書いたんだけど、もうちょっと突っ込んだリサーチをしてみた。

    貿易赤字、低い政策金利、毎年増える対外債務、通貨供給、年齢別人口構成、毎年のアメリカの国家予算不足、この後に及んでの国防費の増額などの側面から見て、ドル高、アメリカ経済にプラスになる要素は何も見当たらない無いんだけど、2つだけ、ドルを支えてる事情があると思うのでリサーチしてみた。


    1、中国と日本がアメリカ政府の国債を大量に持ってる。
    2、世界の基軸通貨であり、原油などの取引に使われてる。



    1、中国と日本がアメリカ政府の国債を大量に持ってる。


    日本も中国もアメリカに対して多くの輸出を行っており、円高や中国の元高になると国内の輸出に頼る企業に影響が出てくるので、円高、中国元高を好まない。(2004年の3月までは外国為替平衡操作(円売り、ドル買いで市場に介入する事)などで、円高の動きを止めようとしていた。)

    ここで考えられる質問は、日本と中国はアメリカ国債を買い続けるのか?、国債はアメリカの財政赤字に対してどれ位影響があるのか?って事。

    これがアメリカの財務省から出てるアメリカ国債の主要保有国のリスト。

    アメリカ国債

    それを元にしたグラフ。



    ちょっと単位が分かりにくいんだけど、

    1=10億ドル。

    だから、1000となると、1兆ドルって言う事。


    2009年の3月時点での合計国債発行額は3兆2652億ドル。
    2008年の3月時点での合計国債発行額は2兆5050億ドル。

    去年の3月から今年の3月まで、1兆2500億ドル発行額が増えている事になる。

    前回金融救済額合計の記事で書いた様に既に使用された金融救済額合計は2兆6000億ドル。

    そうなると、大体、金融救済額合計の半分はアメリカ国債で賄われている事になる。

    ただ、他にもアメリカが必要なお金はある。
    09年度の国家予算は4070億ドル不足している。

    これだけの数字を見れば。
    中国や日本がどれだけアメリカの国債買おうとも、
    焼け石に水という気がする。




    2、世界の基軸通貨であり、原油などの取引に使われてる。


    非常にスピードは遅いが石油産出国も決済通貨を米ドルから他の通貨に変えてきている。

    2007年の7月に石油の購入にイランが円での取引を要求


    2007年の12月にイランがドルでの石油の購入をストップ


    2008年の 2月にイランが石油取引所を設立。
    ロシアのルーブルを含む米ドル以外の通貨を受け付ける事に。

    2008年の2月にOPECのリーダーがドルからユーロへの変更を示唆しているけど、「時間がかかる」としか言ってない。


    2007年の11月にベネズエラが決済通貨に米ドルを使う事に警告。



    残念ながら、米ドルでの原油取引をするかどうかに関しての記事はこれ位しかない。石油産出国にとって価値が下がり続ける通貨で取引をするメリットは無い。ただ、実際の所、決済通貨を変えたいんだけれど、アメリカの軍事力が怖いというのが大きいのではないかな。

    イラクが決済通貨をユーロに変え、戦争が起きた。決済通貨を米ドルから移行させた挑戦的なイラク、イラン、ベネズエラはアメリカからことごとく悪者扱いされ続けている。

    アメリカが国防費を増加させてるという事からも、アメリカが米ドルを守る最後の手段を戦争と捕らえている様に感じる。ただ、戦争は事態をもっともっと悪化させるから。長期的にドルの崩壊、アメリカ経済の終焉は間違いないんだろう。



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    2009年5月10日日曜日

    スワップ金利のリスクとは?

    ちょっと前までFXが流行ってて、本とかで良くみたり僕も真似してみたりした戦略がある。


    「高金利通貨をホールドして、リバレッジをかけて金利で月々儲けるという戦略。」


    単純な様で、結構儲けてる人もいて、この月々の儲けだけで脱サラして世界一周旅行に行っちゃった人もいるんだ。その後はどうなった知らないけど、かなり多くの人がこの戦略とってた。


    僕の父がその戦略を取り続けているので、
    リサーチをしてみた。


    高金利な通貨と言えば、ニュージーランドドルとか、南アフリカランド、トルコのリラ、アイスランドクローラとか。まぁ、高金利って事実を考えれば分かるけど、こういう国の財政状態って正直ひどい。アイスランドは破綻したしね。

    下記の様に各国の財政状態を見てもらえればわかる様にどこも毎年毎年借金が増えてく様な状態。

    ニュージーランド 財政赤字
    ニュージーランド 財政赤字

    ニュージーランド 対外債務
    ニュージーランド 対外債務


    トルコ 財政赤字
    トルコ 財政赤字

    アイスランド 財政赤字
    アイスランド 財政赤字

    参照元:Index Mundi 


    それでも未だ金利は高く、レートもバブル期よりは断然に低いもののじょじょに持ち直してきている。

    ● ニュージーランドドル NZD2.3% NZDJPY 59円
    ● トルコのリラTRYは8%  TRYJPY 63円
    ● 南アフリカランドZARも8%と ZARJPY 11円
    (2009年5月8日現在)


    なんで、こんな破綻寸前ぽい通貨に資金が集まってたのか?
    こういう通貨はどんなリスクがあるのか?




    ソロスの錬金術を読んでたら見えてきた。


    基本的に為替の世界でも需要と供給で為替の値段が決められている。
    ドルに需要が高くなればなるほど、ドルの値段もあがる、

    為替の未来を予想するって事は、プロの為替トレーダーでも難しいと
    思うのだが、ソロスの錬金術では、為替の傾向を捉えるのにおもしろい式を使っていた。


    貿易赤字↓ は悪化
    貿易赤字↑ は改善

    投資資金↑ は引き上げ(投資資金はその国に対しての企業の投資など)
    投資資金↓ は投入

    投機資金↑ は引き上げ (ここでいう投機資金は、僕の父や、投機家からのマネー)
    投機資金↓ は投入

    為替レート↓ はレートが低くなる。
    為替レート↑ はレートが高くなる


    為替のレートのファンダメンタルは下記の式の様に表せる。


    (貿易赤字↓+  投資資金↑+投機資金↑) ⇒ 為替レート↓


    貿易赤字が悪化し、投資資金と投機資金が引き上げられると、為替のレートも低くなる傾向にある。


    貿易赤字と為替の関係



    教科書通りにいけば、輸出より輸入の方が多い状態が続けば、為替レートは低くなり国内の景気は停滞するはず。



    ところが、貿易赤字が顕著で、対外責務の最も酷いアメリカや、ニュージーランド、トルコ、アイスランドなどは、つい一年前まで為替レートも良く、国内の景気も良かった。



    どんなカラクリだったのか?



    通貨の金利を高める事によって、海外からの投機資金の流入を促進する事ができる。
    投機資金が流入すると、通貨の需要が高まり為替レートが上昇する。

    (為替レート+金利)↑ ⇒  投機的資金↓


    そうなると、この投機資金が貿易赤字の赤字分を帳消しにしてしまう働きがあるのだ。


    ↓貿易赤字<↓(非投機的資金+投機的資金) ⇒ 為替レート↑



    これが、NZD,TRY、ZARに資金が集まっていた理由だ。



    それだけでは、終わらない、この連鎖、ソロスの言う「再帰性」の原理、フィードバックループの原理が働いて
    長い期間この動きが続いていく。

    (為替レート↑+金利↑) ⇒ (投機的資金↓>貿易赤字↓) ⇒  為替レート↑  ⇒ (投機的資金↓>貿易赤字↓)


    もちろん、金利を上げる事は、将来の支払いが増えていく事だから、
    政府の財政を圧迫していく。下記の式の様になる。

    貿易赤字と為替の関係



    さらに自国の為替レートが高くなっていくという事は、輸出産業には厳しく、更なる貿易赤字を広げる事になる。


    最終的にはどうなるのか? 貿易赤字と利払い金が投機資金でカバーできなくなり、為替レートが下がり始める。
    そうなると今度は負のネガティブループを始める。これが今回起こったバブルの崩壊になる。


    (貿易赤字↓ + 利払い金↑)> 投機的資金↓ ⇒ 為替レート↓ ⇒ (投機的資金↑ + 貿易赤字↓ + 利払い金↑) ⇒ 為替レート↓↓


    これが今回、アイスランド、ニュージーランドドル、ターキーなどで起こった事だ。

    もちろん、アメリカのドルもそう。 (ポンド、韓国ウォンなどはあまり情報が無いので分からない。)


    これは、机上の論理かもしれないし、他にも政府は自国の通貨を発行していく事など色々な要素があるとは思うが、高金利の通貨に投資していくという事は、突然為替のレートが劇的に落ち始める可能性があるという事になる。さらに、投機的資金が入ってこなくなれば、利払いをするための資金が増えるので、利率を下げる。

    スワップ金利の戦略を取る投機家は、元本が急激に下がる事、暴落にそなえてリバレッジの許容範囲を考慮しておく事が重要だね。まぁ、もう既に起こったことなんでこんな事言ってもしょうがないけど、これから似たような状況は必ず起こるはずなので、自分の頭で理解するために詳細に書いてみた。


    NZD,TRYはまだ比較的高金利であり、レートも上がってきている。
    僕の予想では、USDが下がった時にもう一度、これらの高金利通貨に影響があるのではないかなと思う。




    FXの難しい所は、いくらこういう通貨の傾向が分かったからと言って、何時レートが上がるのか、下がるのかは予想が非常にしにくい所にあると思う。僕は今、USDはまだまだ下がると思っているけど、自分の資金でUSDをショート(売って儲ける事)するという自信は無い。


    通貨の傾向を知る事の恩恵は、他の国の株などに投資した時の「一つの要素」として考えるべきなんじゃないかって思う。

    例えば、中国にある原油採掘する会社で、過去10年間配当があって、PERも低い、業績も伸びている、原油の需要と供給を見ると業界も未来がある。

    そんな株があって、さらに中国の人民元が日本の円と比べて、割安だといえる場合、
    ただ「業界の未来があって、業績も良く、株が割安」だから買うって言うより「通貨が割安」という事で儲けられる要素が増えるから有利だよね。


    ソロスの錬金術はおもしろいね。この間書いた山口恵理子さんの様に本に書いてある事は信じれないって言う人もいるけれど、僕はこの本が無かったらここまで国際金融、為替市場に関して知識を深める事が出来なかったな。


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    スワップ金利のリスクとソロスの錬金術

    ちょっと前までFXが流行ってて、本とかで良くみたり僕も真似してみたりした戦略がある。


    「高利子通貨をホールドして、
    リバレッジをかけて金利で月々儲けるという戦略。」


    単純な様で、結構儲けてる人もいて、この月々の儲けだけで脱サラして世界一周旅行に行っちゃった人もいるんだ。その後はどうなった知らないけど、かなり多くの人がこの戦略とってた。


    僕の父がその戦略を取り続けているので、
    リサーチをしてみた。


    高金利な通貨と言えば、ニュージーランドドルとか、南アフリカランド、トルコのリラ、
    アイスランドクローラ
    とか。まぁ、高金利って事実を考えれば分かるけど、こういう国の財政状態って正直ひどい。アイスランドは破綻したしね。

    下記の様に各国の財政状態を見てもらえればわかる様にどこも毎年毎年借金が増えてく様な状態。




    それでも未だ金利は高く、レートもバブル期よりは断然に低いもののじょじょに持ち直してきている。
    ニュージーランドドルNZD2.3% NZDJPY 59円
    、トルコのリラTRYは8%、  TRYJPY 63円
    南アフリカランドZARも8%と ZARJPY 11円
    (2009年5月8日現在)

    なんで、こんな破綻寸前ぽい通貨に資金が集まってたのか?
    こういう通貨はどんなリスクがあるのか?



    ソロスの錬金術を読んでたら見えてきた。

    基本的に為替の世界でも需要と供給で為替の値段が決められている。
    ドルに需要が高くなればなるほど、ドルの値段もあがる、

    為替の未来を予想するって事は、プロの為替トレーダーでも難しいと
    思うのだが、ソロスの金融の錬金術では、為替の傾向を捉えるのに簡単な式を使っていた。


    貿易赤字↓ は悪化
    貿易赤字↑ は改善

    投資資金↑ は引き上げ(投資資金はその国に対しての企業の投資など)
    投資資金↓ は投入

    投機資金↑ は引き上げ (ここでいう投機資金は、僕の父や、投機家からのマネー)
    投機資金↓ は投入

    為替レート↓ はレートが低くなる。
    為替レート↑ はレートが高くなる


    為替のレートのファンダメンタルは下記の式の様に表せる。


    (貿易赤字↓+  投資資金↑+投機資金↑) ⇒ 為替レート↓


    貿易赤字が悪化し、投資資金と投機資金が引き上げられると、為替のレートも低くなる傾向にある。




    教科書通りにいけば、輸出より輸入の方が多い状態が続けば、為替レートは低くなり国内の景気は停滞するはず。



    ところが、貿易赤字が顕著で、対外責務の最も酷いアメリカや、ニュージーランド、トルコ、アイスランドなどは、
    つい一年前まで為替レートも良く、国内の景気も良かった。



    どんなカラクリだったのか?



    通貨の金利を高める事によって、海外からの投機資金の流入を促進する事ができる。
    投機資金が流入すると、通貨の需要が高まり為替レートが上昇する。

    (為替レート+金利)↑ ⇒  投機的資金↓


    そうなると、この投機資金が貿易赤字の赤字分を帳消しにしてしまう働きがあるのだ。


    ↓貿易赤字<↓(非投機的資金+投機的資金) ⇒ 為替レート↑



    これが、NZD,TRY、ZARに資金が集まっていた理由だ。



    それだけでは、終わらない、この連鎖、ソロスの言う「再帰性」の原理、フィードバックループの原理が働いて
    長い期間この動きが続いていく。

    (為替レート↑+金利↑) ⇒ (投機的資金↓>貿易赤字↓) ⇒  為替レート↑  ⇒ (投機的資金↓>貿易赤字↓)


    もちろん、金利を上げる事は、将来の支払いが増えていく事だから、
    政府の財政を圧迫していく。下記の式の様になる。






    さらに自国の為替レートが高くなっていくという事は、輸出産業には厳しく、更なる貿易赤字を広げる事になる。


    最終的にはどうなるのか? 貿易赤字と利払い金が投機資金でカバーできなくなり、為替レートが下がり始める。
    そうなると今度は負のネガティブループを始める。これが今回起こったバブルの崩壊になる。


    (貿易赤字↓ + 利払い金↑)> 投機的資金↓ ⇒ 為替レート↓ ⇒ (投機的資金↑ + 貿易赤字↓ + 利払い金↑) ⇒ 為替レート↓↓


    これが今回、アイスランド、ニュージーランドドル、ターキーなどで起こった事だ。

    もちろん、アメリカのドルもそう。 (ポンド、韓国ウォンなどはあまり情報が無いので分からない。)


    これは、机上の論理かもしれないし、他にも政府は自国の通貨を発行していく事など色々な要素があるとは思うが、
    高金利の通貨に投資していくという事は、突然為替のレートが劇的に落ち始める可能性があるという事になる。
    さらに、投機的資金が入ってこなくなれば、利払いをするための資金が増えるので、利率を下げる。

    スワップ金利の戦略を取る投機家は、元本が急激に下がる事、暴落にそなえてリバレッジの許容範囲を考慮しておく事が重要そうだね。
    まぁ、もう起こったことなんでこんな事言ってもしょうがないけれど、これから似たような状況は必ず起こるはずなので、詳細に書いてみた。


    NZD,TRYはまだ比較的高金利であり、レートも上がってきている。
    僕の予想では、USDが下がった時にもう一度、これらの高金利通貨に影響があるのではないかなと思う。



    FXの難しい所は、いくらこういう通貨の傾向が分かったからと言って、何時レートが上がるのか、下がるのかは予想が非常にしにくい所にあると思う。
    僕は今、USDはまだまだ下がると思っているけど、自分の資金でUSDをショートするという自信は無い。


    通貨の傾向を知る事の恩恵は、他の国の株などに投資した時の「一つの要素」として考えるべきなんじゃないかって思う。

    例えば、中国にある原油採掘する会社で、過去10年間配当があって、PERも低い、業績も伸びている、原油の需要と供給を見ると業界も未来がある。

    そんな株があって、さらに中国の人民元が日本の円と比べて、割安だといえる場合、
    ただ「業界の未来があって、業績も良く、株が割安」だから買うって言うより「通貨が割安」という事で儲けられる要素が増えるから有利だよね。



    まぁ、そんな感じで、ソロスの錬金術からは「通貨の傾向」を掴む事を学びました。


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    2009年5月8日金曜日

    Google Analytics Individual Qualification

    5月位にGoogle Analytics Individual Qualification っていうGoogle Analyticsの個人認定試験を受けて合格した。

    GoogleAnalyticsIndividualQualification

    なんかこの認定試験は最近できたばっかりだから、番号が185番とすごい若い。

    世界で185番目か!?

    別に簡単な試験だし、転職に有利って訳じゃないけど、ミーハーな僕にはこういうの嬉しいんだよね。笑



    今日は僕の本職に関係するWeb解析に関して思った事


    Web解析ソフトってのは、
    サイトに訪れる人がどこから来たかとか、
    訪問者に対してどれ位の割合の人が購入したのか(成約率)、
    どの国から来てるのか、
    サイトの中のどのページから離脱して、どのページから入ってくるのか。
    どこのサイトにリンクを張られているのかが分かるソフト。


    自分が何か商品を売ってるサイトを持っているなら、このWeb解析ソフトが重要な役割を果たす。

    基本的にサイトでの売り上げを上げるには、2つしか方法は無い。

    サイトの成約率を上げるか、訪問者数をひっぱってくるか。


    サイトの成約率を上げるには、サイトの中のレター、イメージ、配置などなど
    全てテストをして一番お客さんに対して反応の取れるサイトに最適化していく作業がWeb解析ソフトを通して出来るからだ。

    訪問者をひっぱってくるにしても、どのサイトで広告を出すのが有利なのかなどWeb解析ソフトの貢献は大きい。


    インターネットビジネスの効率化を最も助けてくれるツールがこのWeb解析ソフトだと思う。


    ただ、自分の仕事でも使って、テストを合格して言うのも何なんだけど、
    このWeb解析ソフトで貢献出来るのはあくまで10%位で割りと小さいんじゃないかなって思ってきた。(もちろんその10%が大事なんだけどね。)

    この間、全くWeb解析ソフトを無視して、売り上げが一日3000万円以上とかそういう会社を見たんだよね。もう働いてる人も解析ソフトとか、HIT数を追ってるだけであんまり成約率とか気にしてないし、サイトの構成とかも独断と偏見。笑
    ただ、昔からやってる会社だから、アフィリとかSEOとかの全体的な戦略はしっかりしてる。


    人のニーズを読み取って、現状に無いサービス、商品を打ち出す起業家の先見性、
    大きい市場で、他の企業が出せないオファーを出す事。


    この二つが根幹だね。

    そこを抑えないといくら解析しても悪あがきになってしまう。

    しかし、言うのは簡単だけど、なかなかそんなチャンス見えてこないよね。



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    2009年5月7日木曜日

    米ドルの予測、インフレになるの?デフレなの?

    色んな金融の記事とか読んでて一番混乱した点がこれから米ドルがインフレになるの?デフレになるの?って議論。

    結論を突き詰めた記事が無くて参った。もしくは書いてあったとしても複雑すぎて意味が分からない。


    前回の金融救済額合計の記事で書いたとおり、アメリカ政府は700億ドルのTARPの他にも色々と救済を行う予定であり、連邦銀行は今までに2兆ドルの資金を供給してきた。



    この間も書いてたけど、僕は貨幣インフレ(物価上昇)になると予想。

    フィッシャーの交換方程式とか、色々とあるみたいだけど単純化すると、
    物価は、「貨幣の流通量÷商品、サービスの合計数」で決まるはず。

    そうなると、貨幣の流通量が増えれば、必然的に物価は上昇する。

    商品とサービスの量が一定で、貨幣流通量が増えれば貨幣の価値が下がり商品とサービスの値段が上がる。

    それが物価上昇。

    2兆ドル(200兆円)が供給されるって事は、その分の貨幣の価値が下がるって事。だからインフレが懸念されている。

    ただ、2兆ドルがどれ位のスピードで市場に分布していくかは分からない。政府が2兆ドルを発行しても市場に出回らない限り、物価は影響は受けない。

    という事で、インフレの影響がはっきりと分かるまではタイムラグがあるはずだ。


    貨幣インフレというのは後々の話になる。


    デフレはどういう事なのか?

    デフレは、物価が下がる事。


    物価が下がる原因は、資金の供給量が減るか、商品+サービスの合計数が増えるしかない。


    物価=資金の供給量÷(商品、サービスの合計数。)

    1、商品+サービスの合計数は増える要因は?

    誰も住んでいない新築の住宅が次々と壊されていく様子、破産していくお店の数などなど、とても商品+サービスの合計数が増えている様には感じない。むしろ減っているはず。データは見てない。


    2、資金の供給量は減った。

    不動産バブルは弾け、10月以降S&Pなどの株価も暴落。
    去年の夏の原油高は$130から$45近くまで下がった。
    コモディティの価格も暴落。


    原油の価値が下がれば、ガソリン代、輸送費も下がる訳だし、物価は安くなる。

    そうなると、この今の現状がデフレに当て嵌る。「物が安くなるんなら良いんじゃない?ガソリンも安いし助かるよ。」って思うんだけど、デフレにはデフレスパイラルという現象があって、それが大きな問題になる。

    銀行の資金繰りが苦しくなる=> 今までお金を借りて回ってる企業がお金を借りられなくなる。=> 失業者が増える、給料が減る、支出を削る方向に動く=> その周りのビジネスも影響を受け始める。=> 銀行へのローンが返済できなかったりする=> 企業の資金繰りが苦しくなっても助けてもらえない。

    この問題は今現実に起きている問題であって、アメリカの政府はこのデフレスパイラルの状態を避けるために市場に資金を供給している訳だ。

    という事で、デフレスパイラルになりつつある今の状態を回避するための対策がインフレを起こすきっかけになっているという事なのではないか。



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